マイダスタッチ: ~内閣府超常経済犯罪対策課~ ますもと たくや
電子版が出版されたのが紙版の一週間遅れで、その間
早く読みたい欲を必死で我慢してました。
金融危機をきっかけにお金に絡んだ特殊な能力、正確
には金銭に関連した異能力「マイダスタッチ」を用い
た犯罪が多発、それを取り締まるための組織、通称
「エイプス」が仮運用の形で内閣府に設置され主人公
の水町袈裟郎、レジーナ・若槻、主任の渋澤敬三、そ
れに大富豪の女子高生、一万田こがねが新たに加入し、
このたった4人で彼らの犯罪を取り締まっていきます。
預金と引き替えに動きを止める能力のある水田とお金
の流れを読み取ることができる一万田はマイダスタッ
チが使える異能力者です。
個性的な登場人物で、近未来だけど、想像できない世
界の物語です。
そもそも、人間は基本的に同じような者と関わること
を求める傾向にあり、マイダスタッチの使える特殊な
者を最初は神とまで崇めるが、次第に恐怖を感じ差別
していきます。
人間本来の習性と欲から派生する悪の行為、それに経
済を絡ませたところがよかったです。
著者には、「お金」に関わる小説をこれからもどんど
ん出してほしいと思いました。
とても面白かったです。
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