サイレントステップ 本城 雅人
セカンドジョッキーだった父親がレース中に落馬し
て亡くなった、息子はその原因を突き止めるため
自身もジョッキーになるという物語です。
競馬もののこういったジャンルの作品は珍しいと
思います。
主人公の小山和樹、彼は小学校5年生の時、父の
小山忍が落馬事故で亡くします。
いつもはファーストジョッキーの平賀剛が乗るは
ずの一番人気ウインターヘブンにセカンドジョッ
キー、小山忍が騎乗していました。
ゴール前、ウインターヘブンが転倒、そして父忍
は亡くなったのでした。
当時の噂は、小山は平賀に殺された。
子供ながらに鮮明に覚えていた、このと言葉の真
相を確かめるためにジョッキーになり、父と同じ
塚本厩舎へ、そして平賀剛のセカンドジョッキー
となります。
そこで思い知らされる平賀という男の存在、彼の
競馬への思い入れ、技術、どれもが和樹にはかな
わないものでした。
尊敬しつつも、事故の真相を探る和樹、驚きの真
相と感動のラスト、面白かったです。
残念なのは、東西スポーツの競馬記者、津川仁美の
存在、中途半端な感じになってしまって物語を少し
荒らしてしまった感じがありました。
もっと深くまで物語へ絡ませていれば、なお面白
かったと思うのでした。
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