幸せの条件 誉田 哲也
ガラスを扱う片山製作所の発明家でもある社長の
片山から伝票整理担当の瀬野梢恵に下された業務
命令は、バイオエタノールを精製する装置の試作
品が完成したのでバイオエタノール用のコメを作
れる農家を探してこいというものでした。
何となく生きてきた、梢恵が単身長野に乗り込ん
で何故作ってくる農家がいないのか現実の問題に
直面します。
修行のため現地の農業法人「あぐもぐ」でしばら
く働くこととなった梢恵、農業の面白さに気づい
てしまいます。
今叫ばれるエネルギー問題、震災以降、原子力に
頼らない世界へ向かうためには自然エネルギーは
欠かせないものとなっています。
物語では途中、震災が起こり、「あぐもぐ」の代
表、安岡の親戚が被災地から避難してきたり、こ
れまでの生活が当たり前でなくなったのを機にみ
んな考え方が違ってきたと思います。
農業という世界からエネルギー問題への提起です。
この著者が、ストロベリーナイトを書いた、誉田
哲也であることに驚きました。
農業を知らしない人でも相当楽しめる作品になっ
てます。
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