硝子の太陽N - ノワール 誉田 哲也
異なるシリーズが映画化やドラマ化の影響で一つの
世界になっていく、その流れに逆らえないのか、
歌舞伎町セブンと姫川が混ざり合います。
といっても双方の領域を侵し過ぎない2冊同時刊行
という珍しい形での実現です。この「ノワール」、
暗黒小説的要素が強いってことでしょうか、セブン
の目、フリージャーナリストの上岡が殺害され弔いが
始まります。今作ではここ数年話題の沖縄の米軍基
地、沖縄のみならず東京でも盛り上がっているデモ、
そして在日米軍の問題を絡ませた物語です。
話は、新宿署管内で転び公妨で逮捕された左翼の
親玉、矢吹を東弘樹警部補が署長命令で聴取をする
ことからセブンと繋がっていきます。東とセブンの
陣川との距離感が心地よく物語は勢いよく進んでい
きます。
こちらは警察小説とも違う、犯人は誰で最後は解決
して終わりという流れではなく様々な要素を含んで
います。ジウから流れているこの物語、しっかりと
引き継いで芯というか真の部分はブレずに物語が進
むところがファンを飽きさせない感じがします。
途中、姫川シリーズのガンテツが邪魔をしますが、
それも重要な情報になります。相変わらず早い展開、
休むことを許さない面白さでした。
次はルージュです。
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