利権鉱脈 小説ODA 松村 美香
ODAを題材にした今日本の抱える問題をリアルに
描いた作品です。
これまでの国際協力、今の国際協力、これからの
国際協力、ODAのあり方を提起しています。
途上国への影響が増す中国、まさに国益を追求す
るために莫大な資金を投じ援助という名の影響力
拡大を図っています。
日本はどうかというと、現状は何を目的としてい
るのか本当の意味での国際貢献になっているのか
疑問です。
主人公は、ODAを主に手がける一橋コンサルテ
ィング株式会社の桜井万里子、42歳です。
そして経済産業省からJICAならぬDIDOに
出向中のキャリア官僚の水谷真次、45歳、この
2人を中心に描かれています。
物語は、桜井がモンゴルの案件担当を命じられる
ことから始まります。モンゴルは12年前、大学
の親友、八峰商事に勤める加藤貴久が命を落とし
た地でした。
桜井は、思わぬところから加藤の死の真相に迫る
事になります。
無償の援助と資源獲得、政府開発援助とは何なの
かそこに群がる人、利権が絡み複雑な様相を見せ
る中、本当の意味を問いかける作品です。
とても面白かったです。
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