サイバー・コマンドー 福田 和代
サイバーテロを題材にした作品はありますが、
この作品では戦争となります。
クリックで日本が、そして世界が崩壊します。
主人公は、ハッカーにして防衛省サイバー防衛隊
の明神海斗です。
自衛隊が日本国に対しサイバー攻撃をしかけてき
た際どのように防衛するのか、敵とは何なのか、
正義という一言では解決できない空間で起こる戦
争に明神の心の揺れを感じながら、最悪の方向へ
進んで行き、日本だけではなく、アメリカと中国
の物理的衝突も避けられない状況下で真相を追求
していきます。
工場ではエラーが多発し商品の完成度が極度に悪
化、通信障害の多発、新幹線の暴走、信号、電話、
そして原子力発電所とインフラが崩壊して
いきます。
アメリカでも同様の攻撃を受け、それは中国から
のものだと分析され、物理的な衝突も時間の問題
となる中で意外な真相が。
一度始まれば、通常の戦争より後処理が大変なサ
イバーでのそれは終わる事ができるのか。
リアルな展開にビビります。
絶対の安全な環境は存在しない、安全対策への過
信、油断の積み重ねが戦争を引き起こすのです。
誰もが被害者だけでなく、加害者にもなるサイバ
ーという関わり方、勉強になる面白い作品でした。
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