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経済・企業小説よむ読む(改)

経済小説、企業小説、警察小説、ミステリーと 最近は様々なジャンルを読んでいます。 文房具のことや独り言なんかも書いてます。

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バラ色の未来

バラ色の未来 真山 仁

Integrated Resort、統合型リゾートを巡る日本の近
未来を描いた作品です。
内容の規模が大きくなり過ぎてラストがメインの話
以外収束せず、散らかったままのエンディングが
ちょっともやもやします。
松田総理の側近、IRの指南役と言われた青森県の
小さな町の町長、鈴木一郎がホームレスになり、
熱中症で亡くなったことから5年前の壮絶な誘致
合戦の結末とその果てがクローズアップされます。
松田総理の広報誌とまで呼ばれる東西新聞の中で、
編集局次長かつて鈴木元町長を取材までした結城
洋子を頭に特別取材班を編成しカジノ問題を様々
な観点から追及し様々な圧力と戦う記者の姿を描
いた物語です。
登場人物とその背景、あまりにも多くそして興味
深いエピソードに、その結末がとても気になるの
ですが、全てを書いてしまうと上下巻で収まるか
どうか。
それくらい個性の強い登場人物が出てくるだけに
残念な気持ちになるのでした。
それでもカジノ、統合型リゾートが生み出す力と、
その力に飲み込まれてしまう人々、依存症だけで
なく、利権に群がる生き物、こういったハード
(箱物)とソフト(カジノ運営)がセットになっ
た事業は悲劇が待っている絶好の物語だと思いま
す。
関わる人間の喜怒哀楽を描いたとても面白い作品
でした。





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院内刑事

院内刑事 濱 嘉之

公安警察小説と言えば濱嘉之氏の作品が最近では最
もメジャーになってきた感じがします。
今作も新たなシリーズになるのでしょうか?
ある意味、警察組織に見切りをつけたということで
しょうか、主人公の廣瀬知剛は公安を辞め会社を起
こし、これまでの人脈は辞めたと言っても古巣の警
視庁ともパイプを残し、さらに拡大していました。
現在メインに行っているのは病院でのリスクマネジ
メント業務、様々なトラブルを解決していく様は、
他の作品同様鮮やかかで、冷静というより冷淡に割
り切って正しい判断を行っていきます。
物語は、九州、福岡を基盤とする超大物政治家で現
職の財務大臣が殺人未遂にあったことから始まりま
す。
結局、公安ならではの捜査を、廣瀬の奨めで郊外の
所轄署に干されていた人物が公安部に復職し、青山
望シリーズ同様に福岡で開始します。
今作も各所で説明がとっても長いのですが、展開自
体はとても早く、解決へ向けて話しが進む中、院内
で起こる様々な事件をこなしていく姿がかっこよす
ぎます。
これもシリーズ化していくのでしょうか?
病院の現状も覗けて面白かったです。



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練金

錬金 堀江貴文

ホリエモンこと、堀江貴文氏の三部作がついに完成っ
てことでしょうか。
主人公は、藤田優作、フリーターから瞬く間にIT社
長になって気がつけば刑務所に。
物語は刑務所から出所して、優作が堀井健史なるオッ
サンと再会することから物語は進んでいきます。
そこで優作が見たものは、過去に遡ることのできる
アプリです。
オッサンから言われたのは優作が愛した宇多由里子
を探しにいくこと、そしてITの歴史を自身の目で見
て体験してくることでした。それは歴史を変えるこ
とでもありました。
気になる名前が盛りだくさん、若かりし頃の西島和
彦の破天荒ぶりも描かれています。実在するあの人
とわかってしまいます。
毎回そうなんですが、今作では現在過去と行ったり
来たりするので更に注意深く読まないと混乱してし
まいます。
あとがきに書かれた狙いどおりに仕上がったかと思
います。事実をベースに創作を加えた面白い作品で
した。





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回帰 警視庁強行班係・樋口顕

回帰 警視庁強行班係・樋口顕 今野 敏

警視庁捜査一課の樋口顕シリーズです。
今回は公安との合同捜査、四谷で自動車が爆破され
る事件が発生しテロ事件として刑事及び公安が捜査
に乗り出します。
毎回のことですが、娘の照美にも問題発生、事件に
は強いが家族には弱い樋口の個性が今回も滲み出て
います。
テロということで麹町署には、捜査本部ではなく指
揮本部が設けられ国内初ということもあり刑事部長
や公安部長まで指揮本部へ乗り込んできます。巧妙
に仕掛けられた計画に進まない捜査、刑事と公安の
不仲が一層捜査を邪魔します。実質的に指揮を執る
刑事部の天童管理官と公安部の梅田管理官、あるこ
とがきっかけで両者の歯車が噛み合い大きく捜査は
進展することになります。何事にも柔軟で事件解決
を最優先する、こういう上司がいると何とか物事は
動くものです。
毎回ではありますが、今野作品は展開が早く読み手
を飽きさせないとても面白い作品です。
しかし、最近想うのですがスッキリ読み終える結末
がために少し物語が浅くなってしまうように感じま
す。もっと長編になってさらに深化すればリアル感
も増し面白くなるのは間違いないのですが、ドラマ
化するには現状のままがよいのでしょうね。




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夏の雷音

夏の雷音 堂場瞬一

主人公の明央大学法学部准教授、吾妻幹は、お節介
好きで有名、頼まれれば結局引き受けてしまう神保
町で生きる男です。
吾妻が後半でギターショップ店長の安田から依頼さ
れたのは、店から盗まれた落札価格1億円のエレキ
ギターを探して欲しいという依頼です。
そもそも安田がどうして、そんな大金を調達できた
のか、アメリカのオークションで落札したというが、
どうい経緯だったのかもはっきりとしない状況で、
でも断れない吾妻はまずエレキギターの歴史とヴィ
ンテージものの業界について調べ始めます。しかし、
安田は何者かに殺害されます。一気に殺人事件とな
り吾妻は自身の生まれ育った、そして今も暮らす神
保町で起こった殺人事件を独自に捜査を開始します。
怪しい人物が続々と登場するものの肝心の犯人が出
てきません。
今時携帯電話も持たない吾妻は、事件に深く踏み込
み過ぎて自身も危険に晒されます。
ほとんど神保町で行動するだけで、事件を解決へ導
いていくミステリー小説、神保町の地理を理解して
いるだけで面白さも増します。
舞台は夏なのに残念ながら冬に読んでしまいました
が、とても面白い作品でした。



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プロフィール

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性別:
男性
自己紹介:
ただの本好きです。文房具も大好きです。
文房具カフェオフィシャル会員です。
Twitterもやってます。

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