偶然屋 七尾 与史
偶然を仕組む、偶然屋の物語です。
最初はコメディな感じなのかなと思っていましたが、
恐ろしく深い物語でした。
主人公は、大事な時こそ運で生きてきた水氷里美、
しかしその運も就職には効かなかったようで弁護士
試験を失敗しプーになっていました。
電柱の下の方に貼ってあった募集の張り紙、オフィ
ス油炭にアクシデントディレクター見習いとして入
社し物語は大きく動きだします。
最初から最後まで一つの出来事に繋がる、とても恐
ろしい物語、エンディングは次作を予感させる書き
ぶりです。
オフィス油炭の社長、油炭とバイトの中学生クロエ、
そして水氷里美、この三人が仕掛けていくアクシデ
ントは、その後の展開に大きく繋がっています。
これも何かのきっかけ、暗示なのかと何もかも疑っ
てしまいます。
こんなことが可能なのか、常識を覆すような完全犯
罪、推理力と想像力、かなり気合い入れて読みました。
新しい世界、こんなことって?の連続で一気に読め
てしまう一冊です。
とても面白く、次作が楽しみです。
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