陸王 池井戸潤
池井戸作品らしい物語です。
半沢直樹シリーズからテレビでも話題となりました
が、その後のルーズヴェルト・ゲーム、下町ロケッ
トの流れを汲んだ作品です。
零細企業が新規事業で新しい分野、大手企業がひし
めく業界に殴り込みをかける、実績や信用の全くな
い会社に立ちはだかる壁はかなり大きいです。大手
企業の妨害行為も何度となく仕掛けられる、そんな
状況にも屈しない真っ直ぐな姿勢、社長だけではな
く従業員やまわりの人達の絆が大きな力を起こして
突き進む物語です。池井戸作品最近の王道です、一
気に読んでしまいました。雑誌や新聞でも話題にな
っているのでドラマ化もするのでしょうか。
主人公は、埼玉県行田市に創業100年を超える足
袋製造業者の「こはぜ屋」社長の宮沢です。業績は
昭和に入り右肩下がり、運転資金の借り入れにも一
苦労の状態、新たな収益源を求め行き着いた先はラ
ンニングシューズの開発販売でした。資金もない中
で、素材や技術の問題と難関が続きます。その度に、
会社の仲間や新たな出会いが宮沢を後押しします。
人のつながり、情熱が織りなす感動の物語、誰も死
なず主人公をひたすら応援して、それが報われる、
安心して楽しめます。こういった企業小説は、サク
セスストーリーなのでどうしても展開がワンパター
ンになりがちなのが気になりますが、それでも面白
かったです。
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