誘拐捜査 緒川 怜
主人公の警視庁捜査一課の刑事、楢橋邦洋は3発の
銃弾を受け警察病院に入院中から物語は始まります。
楢崎は、自身が被弾した理由をよく理解していまし
た。それ以外にも楢橋はずっと悔やんでいることが。
兄夫婦の長女を不注意から失踪させてしまったこと、
それは誰かに連れ去られたということでした。
そこに東京都八王子市で少女誘拐事件が発生、犯人
からのメールには驚愕のえん罪事件の14年前の姉
妹誘拐事件の真相が書かれていました。
20年前の姪の行方不明事件、14年前の姉妹誘拐
事件、そして八王子で起きた少女誘拐事件、楢橋は
休職している場合ではなくなり病院を勝手に抜け出
し自らも単独で捜査を開始します。
警察の闇、複雑な事件背景、死刑制度廃止論、暴力
団との関わりといくつもの要素が散りばめられ、
しっかり読み込まないと途中で迷子になってしまい
ます。
そこまで緻密に練り上げた物語だけに、ラストは絡
み合った糸が一気に解ける感覚を味わうことができ
ます。
じっくり時間をかけて丁寧に読みたい、とても面白
い作品でした。
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