盤上の向日葵 柚月 裕子
藤井君の話題で盛り上がってる将棋ですが、それで
思い出したミステリーのストックから一冊、「盤上
の向日葵」珍しく将棋をテーマにした作品です。
将棋の駒についての芸術性、駒には鑑定書というも
のがないという事実、驚くことばかり。
話は、埼玉県で発見された白骨化した遺体に添えら
れた日本に7つしか存在しない伝説の駒から謎を解
いていく内容です。
事件を捜査するのは、元奨励会会員の佐野巡査と捜
査一課の石破警部補が捜査本部でコンビとなり駒の
持ち主捜しが始まります。
最初から犯人を出して過去へ展開する流れ、その犯
人と思われる天才棋士の圭介、彼の出生の秘密とプ
ロ棋士になる異例の過程、読みどころが盛りだくさ
んです。
各章ごとに頭を切り換えて過去未来を辿る構成は、
物語が進むにつれて次の展開が気になって止まらな
くなります。
将棋の世界と警察小説を上手く融合させた物語、と
ても勉強になり、かつ、とても面白い作品でした。
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