セイレーンの懺悔 中山 七里
テレビドラマになるような物語でした。
誤報、不祥事を連発し後がない帝都テレビの「アフタ
ヌーンJAPAN」、主人公の報道記者2年生、朝倉多香
美と指導係の社会部エース、里谷太一が手掛けたスク
ープが番組にとどめを刺す大誤報でした。
事件は、女子高生誘拐事件、しかし誘拐された被害者、
東良綾香は既に遺体となって発見されます。
真相を追い、目の前に現れる取材対象、無遠慮に被害
者や加害者、関係者へと入り込んでいくことで、やが
てモラルや考えること、そのものが麻痺していき、結
果として大きな過ちでたくさんの人を傷つけていくの
でした。
報道の在り方や自身の犯したミス、朝倉は己との戦い
をも強いられることになります。
誘拐事件の末の殺人事件と思われた、この出来事は、
状況が刻々と変化していきます。
真犯人が誰なのかということと、朝倉の葛藤と成長、
ラストはなかなか衝撃的な内容となっていました。
面白い作品でした。
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