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経済・企業小説よむ読む(改)

経済小説、企業小説、警察小説、ミステリーと 最近は様々なジャンルを読んでいます。 文房具のことや独り言なんかも書いてます。

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メビウス1974

メビウス1974 堂場 瞬一

1974年10月14日、後楽園球場での長嶋茂雄の引退試
合という日でもありましたが、アジア反日武装戦線
「狼」が、三菱重工に続き三井物産に対し爆破テロを
行った日でもありました。
テロの現場に居合わせた兄弟、兄の恋人、そして兄と
ともに行動した仲間、10代の若者達はその日、「日本
の夢が終わった日」を境に大きく変化したのでした。
過激派の下部組織という扱いで日々アルバイトに精を
出して得たお金を「本隊」に「カンパ」していた大学
生の主人公、下山英二はその日から東京を離れ自分の
過去をすべて捨てた人生を歩んでいました。
そこに一本の電話、仲間からの突然の電話、それは仲
間の一人がきゅうちに窮地に立っているから救ってく
れというものでした。
下山は、過去の清算をするため、突然失踪、仲間を裏
切った贖罪のため42年ぶりに東京へ戻ってきます。
当時の人達がどういう思いで運動に参加し、何を目指
していたのか、実はのめり込むものがあればよかった
のか、今となってははっきりしない、しかし彼らの行
動は当時、確実に多くの人を不幸にし人生を狂わされ
た犠牲者がいたのは事実です。
それでも繋がりは続くもので、複雑な人間関係と思い
を綴った作品です。
相当重厚感のある物語で読む年代によって感想も全く
異なるのではないかと思いました。
多くの世代、下山英二より若い世代が読めば、参加の
動機や、何十年も経過した現在まで、どうしてそこま
で思い続けられるのか理解に苦しむかもしれません。
私も下山の性格が理解しがたいところもありました。
何十歳も下ですから仕方ないかもしれません・・・
なかなか衝撃的な作品で結末も、それを象徴している
ような気がしました。
なかなかスッキリとはいきませんが・・・
河出書房新社創業130周年記念作品だそうで、それに
ふさわしい作品だったと思います。



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