火災調査官 福田 和代
タイトルのインパクトがあまりなかったので読むのが
遅くなってしまいました。
内容はタイトルに反して、これぞミステリーという
作品でした。
主人公の東は、東京消防庁の火災調査官、独りが好き
でしかも超がつくほどの真面目な性格、小さい頃から
人と関わることを嫌っていたが、高校時代にバスケ部
へ入部して知り合った先輩の白木が、同じ消防庁の
ポンプ車で小隊長を勤めているという体育会系のつな
がりもあり、これが物語のキーになります。
ある日、空き家で起きた放火事件を発端に、連続して
放火事件が発生します。
調査に乗り出す東、現場に必ず残されている1枚の
絵画、計画的な犯行を阻止するため単独で、かつ、
遣えるもの全て動員しますが、犯人に先を越され、
とうとう死者が出ます。
犯人の様々な仕掛けや綿密な事前調査、それでも東は
重要なヒントに気付きます。
知恵比べとラストの壮大な場面、意外な結末に驚きつ
つも感心し、本当に面白い作品だと思いました。
登場人物の育った環境など背景を織り込みながら、
その背景を意識しつつストーリーを組み立てていく技
はスゴイと思いました。
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