ファイアスターター――捜査一課殺人班イルマ 結城充考
警視庁捜査一課の入間祐希シリーズです。
今回は映画海猿の第３作目「THE LAST MESSAGE
海猿」と同じ天然ガス掘削プラットフォームが舞台。
というより、そこだけです。
東京湾にある新日本瓦斯開発の天然ガス掘削
プラットフォーム、その名は「エレファント」、こ
こで従業員の転落事故が発生します。台風が迫る中、
警視庁から先発で単身乗り込むことになったイルマ、
検証した結果、殺人事件と断定し捜査を事情聴取を
開始します。
たった１１名しかいない施設で起きた殺人事件は、
意外な展開を見せます。荒れ狂う暴風雨の中で外部
との通信用のアンテナが破壊され、応援は台風が過
ぎる翌朝以降、犯人はこの中にいる、緊迫した状況
下で今回もイルマは派手にやらかしてくれます。
謎の爆発、侵入者、子ども、深刻さは増し想定され
る最悪の事態へ向かっていきます。
前作同様、事件の端緒は小さいのですが急展開の後、
あり得ないくらいの大事件に発展します。想像を絶
する規模で描かれていて、今作に至っては天然ガス
掘削プラットフォームだけでよくもここまで描ける
と感心してしまいます。危なっかしいヒヤヒヤする
のがこのシリーズの醍醐味でしょうか。次作が楽し
みです。
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