危険領域: 所轄魂 笹本 稜平
所轄魂シリーズの第4弾です。
父子で警察官、息子の葛木俊史はキャリアで本庁
捜査二課の理事官になりました。
父親の葛木邦彦は相変わらず城東署の組織犯罪対
策課で警部補、係長のままです。
今回は、捜査一課と二課の案件、それに福井県警
まで絡む大がかりな物語になっています。
端緒は、都内のマンションで深夜、男性の遺体が
発見されたことから始まります。当初自殺という
見方が出て、捜査一課も同様の結論を出して、所
轄の葛木は何か引っかかる感じを覚え補充名目で
捜査を開始、そこに息子の俊史から亡くなった男
性は今、捜査二課が追っている贈収賄事件の重要
参考人であるとの情報でした。
現場には他殺を示す証拠が一切無い中、防犯カメ
ラに二人組の男の姿が映っていました。この二人
が事件に関係しているのか漠然とする中でも葛木
は殺人であることを確信します。その後も俊史達
が追っている贈収賄事件の重要参考人や関係者が
謎の死を遂げます。大物政治家のみならず官僚や
官邸にいる人物にまで関係者がいると確信し秘密
裏に捜査を進める俊史達捜査二課は突破口を完全
に塞がれた感じになります。
葛木達、城東署のメンバーは捜査二課の捜査状況
に遠慮しながらも殺人事件の犯人を追います。
全てが秘密裏で動く捜査に緊迫感を持ちつつ進ん
でいく展開にどきどきしてしまいます。
今作もこれまで同様、やや解説のような件が長い
のが気になりますが内容が複雑なために仕方がな
いところもあります。
父子の連携、加えて理解ある警察庁の勝沼刑事局
長や葛木の上司である組織犯罪対策課長の大原が
バックアップし、今回もよい展開で読んでいてと
れも面白かったです。
[0回]
PR