真夏の雷管 佐々木譲
舞台が北海道警のシリーズ「うたう警官」のちに
「笑う警官」に改題されたこのシリーズもすっか
り警察小説から本格ミステリーになって警察の裏
側にあるドロドロした世界から巷で起こった事件
解決ものに様変わりしました。結局、道議会の百
条委員会後も具体的な処分はなく、ただ主流から
は外れた状況で過ごす中でも、事件を引き寄せ解
決に至る活躍を見せる佐伯達が今回も抜群の連携
プレイで解決し気持ちよく読める一冊です。
小学生が精密工具を万引き、札幌大通署生安課の
小島百合が保護するもののトイレの隙に脱走、
一方、佐伯と新宮は小さな園芸店で起きた肥料、
硝安の窃盗事件をそれぞれ行っていますが、お互
いに違和感を覚え、それはやがて爆弾事件へと繋
がっていきます。
佐伯達は爆破計画を阻止できるのか、JR北海道と
の確執や巨大組織の弊害も描かれていて緊迫感が
あります。
一気にドキドキもしながら楽しめる作品です。
いつもラストはいい感じで終わるところもいいで
す。
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