dele ディーリー 本多 孝好
解説によるとdeleとは校正用語で削除の意だそう
です。
死後にデバイスやクラウドの特定データを削除す
るサービス会社を経営している所長の坂上圭司、
そして唯一の所員、真柴祐太郎、二人は、契約し
た携帯やスマホ、パソコンから契約した期間に操
作された形跡がみられない場合、あらかじめイン
ストールされたアプリが所長の圭司の基に通知が
来て、祐太郎が裏を取り、圭司がデータを遠隔で
削除するといった流れです。
物語は、この事態が発生する、つまり依頼人が亡
くなった後、データを削除するまでの間に起こる
出来事を短編連作で描かれています。
当然、様々な事象があり事故死であったり、病死
であったり、あるいは自殺であったり、本当に自
分の死を予想して削除を依頼していたのか、デー
タの内容も異なれば、その依頼に対し遺族が納得
するのか、祐太郎自身も疑問を持ち、関わってし
まう、様々な、そして想定外の出来事が二人を待
ち受けています。
技術的な話というよりは、人間模様を描いた物語、
ラストはジーンをきてしまいました。
面白い作品でした。
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