社畜の品格 古木 和真
自分のダメッぷりを自覚しつつも他人に指摘され
ると傷つき常に卑下している自称コミ障な主人公
の神川光一、自分の存在はなくてもいい、自分が
嫌な役を引き受ければ治まるのであれば、自覚が
なくても受けてしまう、現実逃避のように壁を建
てて何となくモヤモヤと生きている主人公の神川
光一、勤務先は唯一内定をもらったきさらぎ銀行、
そこで営業の仕事に就いて社会人としても3年目、
新年度をむかえ上司の課長と調査役が同時に異動、
新しく着任した課長と調査役は正に性格は正反対、
どちらも神川には苦手なタイプでした。
直属の上司は調査役の本庄明日葉、彼女の仕事ぶ
りに神川が変化していく、大変化ですね、その成
長記録が描かれた物語です。
銀行の仕事、とくに営業、融資に関する仕事は、
向き不向きや誠実か不誠実、表面的か親身になる
か、性格がよく現れ正直者が損をしがちな職業で
す。
正直者どころか卑下しまくる神川はやっかいごと
を抱え込み、おまけに人付き合いが苦手、大損を
常にしていました。
そこに刺激をもたらすのが本庄です。正論をぶつ
けるだけでなく、自分の生き様、これが誠実で正
直者の営業だと知らしめる姿、叱咤激励に当初は
抵抗するものの神川の心を乱されそして自分でも
驚くような変化が現れていきます。
誰しも大小の差はあれ持っている感覚、グサリと
刺して刺激して、刺す側も裏に抱える闇があり、
とても面白い作品でした。
会社の人間関係あるあるが描かれていて、なかな
か刺激的な作品でした。
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