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経済・企業小説よむ読む(改)

経済小説、企業小説、警察小説、ミステリーと 最近は様々なジャンルを読んでいます。 文房具のことや独り言なんかも書いてます。

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トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業

トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業 梶山 三郎

愛知県豊田市のあの会社を描いた物語です。
創業家以外からの社長、サラリーマン社長の主人公、
武田剛平が築いたトヨトミ自動車の発展、突然の退
任、サラリーマン社長が続き、満を持して登場の創
業家社長、豊臣統一によるトヨトミ自動車の混迷、
そして復活まで、あの会社の社史に沿って描かれて
います。
著者は、トヨトミ自動車が潰れるときは、日本が終
わるとき。日本経済最後の砦日本経済最後の砦と書
いています。また、真実を伝えたいから、私は、ノ
ンフィクションではなく、小説を書きました。とも。
自動車業界の今後、これまでの歴史、特にアメリカ
との関係が密に描かれています。
本格的な進出、現地工場の建設、そして大不況の訪
れ、巨大自動車企業は時に創業家以外の社長が大な
たを振るい、時に創業家の威光による決断、様々な
出来事が詳細に描かれています。
様々な出来事、社長交代、アメリカでの事件の裏側
が描かれています。
今後の自動車業界、世界のトヨトミ自動車が決断し
たのは実現不可能とも思える構想でした。
過去から未来へ一つの産業、企業を取り上げて描い
た企業小説、読み応えありました。



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社長室の冬

社長室の冬 堂場 瞬一

歴史と伝統のある新聞社、日本新報の記者で主人公
の南康祐は、自身が甲府支局でとばした誤報のせい
で、なぜか社長室に異動となり社長の小間使的な役
割をする毎日でした。ところが、自分の目の前で社
長の小寺が倒れ亡くなります。後任には南とも因縁
のある新里が就任し、命じられたのは外資系の
メディア企業、ネットでニュースを売りアメリカで
急激に成長しているAMCへの身売り交渉の一員と
なることでした。
前社長から申し込んだという身売り、それほどまで
に日本新報は経営危機に至っていたのでした。社内
全体が揺れる中、同期の退職、社長室にいるだけで
疎まれる、南は方々からの厳しい視線や反対派から
の工作、ライバル社からの誘い、それは身売りを申
し込んでいるAMCからもありました。
記者時代とは全く異なる環境、そもそも小間使、
メッセンジャーの役割しかないことに南の心は荒ん
でいきます。それでも、何かを見つけ出す、流れに
抗いながら未来を見つけ出す、生き方を描いていま
す。
労働組合、政治家、創業家との交渉そして戦い、
日本式の会社、とりわけ新聞社という文化がどれほ
ど旧態依然としたものなのかを鋭く突いています。
とても面白い作品でした。




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紙の城

紙の城 本城 雅人

全国紙を発行する東洋新聞が、轟木太一率いる大手
IT会社インアクティヴに買収される、突然飛び込ん
できた事実に主人公の東洋新聞社会部デスクの安芸
稔彦達が買収阻止へ向け立ち上がる、新聞の現状と
将来を描いた物語です。
そもそもは、インアクティヴがアーバンテレビを
買収しようと動き出したのですが、交渉過程で突然、
取得したアーバンテレビの株をアーバンに返す代わ
りに、系列会社の東洋新聞社株と交換する条件を持
ち出したことがきっかけでした。今や新聞は斜陽産
業となり赤字を垂れ流すアーバンテレビから見れば
負担でしかない会社を引き取ってくれるという提案
に合意してしまいます。
ネットインフラが発達しニュースもウェブファース
トと呼ばれるようになり、新聞の役割を見直すきっ
かけとなります。
これからの新聞の在り方とは、安芸達は紙面を通じ
て社会に訴え、一方で買収阻止に向け日刊新聞紙の
発行を目的とする株式会社の株式の譲渡の制限等に
関する法律という昭和26年の法律を盾に阻止するよ
う轟木のスキャンダルを探ります。
スマホやパソコンでネットを利用する人なら誰もが
思う新聞の必要性について、読者に訴えかけてきま
す。
待遇面や税制の優遇など世間から見れば、時代錯誤
に感じることもある中で新聞記者達が必死で考える
これからが読めます。
一次情報の必要性、買収目前、緊迫する中での展開
がとても面白かったです。


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ヘルメスの相続

ヘルメスの相続 宮城 啓

主人公の岸一真、公認会計士で個人でコンサル業を
営み、所謂下請けで何とか生きている彼は金のため
に引き受けた仕事、公認会計士とは全く関係のない
アメリカ人を探すという探偵のようなものでした。
雇い主たる同じくアメリカ人のレイラ、彼女の恋人
が日本で失踪したのでした。彼の職業はジャーナリ
スト、何のネタを追っていたのかも分からず途方に
暮れる岸、単なる人捜しから物語は戦後のGHQの
陰謀や財閥解体、マネロン、殺人事件、そして過去
の完全犯罪の解明にまで発展していきます。
彼の失踪が戦後70年の封印を解きます。
終戦直後から経済活動と税。税を逃れるためのマネ
ロン、それは何十年経ってもかわらぬ状況を
千年地所という非上場の会社から紐解きます。
果たして岸は彼を見つけ出すことができるのか、
人探しがとてつもない経済事件へと発展していく様
は、読んでいてどきどきしてしまいます。
とても内容が深く歴史をも紐解いていく、かなり難
しい物語ですが、それを凌ぐ人間模様がとても面白
かったです。
度を超えた租税回避は、自身の資産が消滅するとい
う結末を迎えることもある、それでもお金持ちの人
はやらずにはいられないのですね。

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マイダスタッチ 2

マイダスタッチ 2: ~内閣府超常経済犯罪対策課~

内閣府超常経済犯罪対策課、前作での活躍で準備室
から正式な組織として活動を開始します。今回も異
能経済犯罪に主人公の水町袈裟郎や一万田こがね、
レジ-ナ・若槻達がそれおれの能力を発揮して大活
躍します。
今回はお金持ちの人々にだけ発症するなぞの病、
それは身体の一部が壊死しはじめ死んでしまう、
しかし何故か自分の財産を使い切ると完治してしま
うのでした。
この奇妙な病の原因を探っていくと今回もやはり
能力者、タッチドが関与している、水町達エイプス
が解決に向け動きだします。
今回も水町と一万田の迷コンビが漫才のように掛け
合いをしながら、レジ-ナの冷静な行動でも時々気
になる水町への言葉、前作からパワーアップした
面白さです。
経済を学ぶのに、こんなに極端で面白い教材は他に
ないと思います。
とても楽しく、勉強になりました。
次作も楽しみです。

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性別:
男性
自己紹介:
ただの本好きです。文房具も大好きです。
文房具カフェオフィシャル会員です。
Twitterもやってます。

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