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経済・企業小説よむ読む(改)

経済小説、企業小説、警察小説、ミステリーと 最近は様々なジャンルを読んでいます。 文房具のことや独り言なんかも書いてます。

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制裁女

制裁女 新堂 冬樹

帯に「あなたが流した涙以上に、その男に血を流さ
せてあげる」とあり制裁する物語だなぁと気軽に読
み始めるととても後悔してしまう作品です。
短編連作的な構成で始めのうちは、六本木Wに集ま
る6人の年齢、職業が異なる女性達が女の敵を社会
的に抹殺してしまう物語なので楽しく読める訳です
が、そこは新堂冬樹氏の作品、痛快に終わることな
どあるあずがありません。
後半は、早くエンディングまでいって楽になりたい
と一気読みせざる得ない状況に追い込んでいく恐ろ
しい展開、どこまで残酷なんでしょう。
気合い入れて読まないと衝撃の大きさ、残酷さで読
み手を圧倒というか、ダメージを受けてしまう程の
作品です。
想像を遙かに超える壮絶な展開に呆然としてしまい
ました。




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under the bridge

under the bridge (ハヤカワ・ミステリワールド) 堂場 瞬一

舞台はニューヨーク、5年前から日本人が営む日本人
向けの旅行代理店、主にスポーツ観戦のチケットと
送迎を扱う店で立てこもり事件が発生します。
人質は店主で日本ではヤクザの愛人だった女性、立て
こもり犯は元ニューヨーク市警の警察官で不動産王の
息子、救出劇はニューヨーク市警のブラウン隊長が率
いるチームが制圧、犯人はその場で射殺、人質は無事
でしたが、ブラウン自身が足を被弾という結末でした。
主人公の日本の警察を追われ、ニューヨークで生計を
立てていた濱崎は、新聞で人質の女性の名前を見つけ
物語は深く展開していきます。
そもそも警察官でもなくなった濱崎、自身でもなぜこ
の事件の真相を探ろうとしたのか分からないまま、
自分の勘を頼りに捜査を進めます。
撃たれたブラウンも何か腑に落ちない気がし、独自に
捜査を始めます。
全く異なる性格の二人、それでもかつては相棒とも言
える仲だった、名コンビが事件の裏側にある大きな
真相に突き進んでいきます。
複雑な裏側があると思いきや明快な動機と真相が明ら
かになる、私の苦手な海外を舞台にした小説、そんな
私でも面白く読ませてもらいました。



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And so this is Xmas

And so this is Xmas 秦 建日子

アンフェアの著者がまた恐ろしい物語を出しました。
舞台は、恵比寿、渋谷、お台場、大勢の人が集まる
場所、恵比寿の爆弾テロから始まります。
犯人の要求は、首相と二人でテレビの生放送での話
すこと。
恵比寿の次は渋谷、場所と時間を指定した予告に対
し、日本人のテロへの認識の甘さが渋谷での大惨事
を招きます。
堂々と予告し、警察をあざ笑うかのように定刻に
爆破させる、しかも、危険だとマスコミを含め広く
周知したにもかかわらず、なぜか自分は大丈夫だろ
うという妙な確信から、犯行予告のあった渋谷ハチ
公前に群がる人、人、人。
今、実際にこのような犯行予告があれば、きっと同
じような行動にでるのでしょう。
犯人のこれは戦争だという言葉の意味、物語の奥深
さと読み手を考えさせる実に面白かったです。
読み終えても、それが終わりなのか、スッキリとい
うより不気味さを感じる物語です。



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セイレーンの懺悔

セイレーンの懺悔 中山 七里

テレビドラマになるような物語でした。
誤報、不祥事を連発し後がない帝都テレビの「アフタ
ヌーンJAPAN」、主人公の報道記者2年生、朝倉多香
美と指導係の社会部エース、里谷太一が手掛けたスク
ープが番組にとどめを刺す大誤報でした。
事件は、女子高生誘拐事件、しかし誘拐された被害者、
東良綾香は既に遺体となって発見されます。
真相を追い、目の前に現れる取材対象、無遠慮に被害
者や加害者、関係者へと入り込んでいくことで、やが
てモラルや考えること、そのものが麻痺していき、結
果として大きな過ちでたくさんの人を傷つけていくの
でした。
報道の在り方や自身の犯したミス、朝倉は己との戦い
をも強いられることになります。
誘拐事件の末の殺人事件と思われた、この出来事は、
状況が刻々と変化していきます。
真犯人が誰なのかということと、朝倉の葛藤と成長、
ラストはなかなか衝撃的な内容となっていました。
面白い作品でした。



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メビウス1974

メビウス1974 堂場 瞬一

1974年10月14日、後楽園球場での長嶋茂雄の引退試
合という日でもありましたが、アジア反日武装戦線
「狼」が、三菱重工に続き三井物産に対し爆破テロを
行った日でもありました。
テロの現場に居合わせた兄弟、兄の恋人、そして兄と
ともに行動した仲間、10代の若者達はその日、「日本
の夢が終わった日」を境に大きく変化したのでした。
過激派の下部組織という扱いで日々アルバイトに精を
出して得たお金を「本隊」に「カンパ」していた大学
生の主人公、下山英二はその日から東京を離れ自分の
過去をすべて捨てた人生を歩んでいました。
そこに一本の電話、仲間からの突然の電話、それは仲
間の一人がきゅうちに窮地に立っているから救ってく
れというものでした。
下山は、過去の清算をするため、突然失踪、仲間を裏
切った贖罪のため42年ぶりに東京へ戻ってきます。
当時の人達がどういう思いで運動に参加し、何を目指
していたのか、実はのめり込むものがあればよかった
のか、今となってははっきりしない、しかし彼らの行
動は当時、確実に多くの人を不幸にし人生を狂わされ
た犠牲者がいたのは事実です。
それでも繋がりは続くもので、複雑な人間関係と思い
を綴った作品です。
相当重厚感のある物語で読む年代によって感想も全く
異なるのではないかと思いました。
多くの世代、下山英二より若い世代が読めば、参加の
動機や、何十年も経過した現在まで、どうしてそこま
で思い続けられるのか理解に苦しむかもしれません。
私も下山の性格が理解しがたいところもありました。
何十歳も下ですから仕方ないかもしれません・・・
なかなか衝撃的な作品で結末も、それを象徴している
ような気がしました。
なかなかスッキリとはいきませんが・・・
河出書房新社創業130周年記念作品だそうで、それに
ふさわしい作品だったと思います。



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性別:
男性
自己紹介:
ただの本好きです。文房具も大好きです。
文房具カフェオフィシャル会員です。
Twitterもやってます。

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