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経済・企業小説よむ読む(改)

経済小説、企業小説、警察小説、ミステリーと 最近は様々なジャンルを読んでいます。 文房具のことや独り言なんかも書いてます。

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ローカル線で行こう!

ローカル線で行こう! 真保 裕一

ローカル線の復活と町おこしを絡めた作品は
過去にも何冊か出ていますが、これも同じような
作品です。
真保氏らしいミステリーを絡めラストの真相は
読み手を驚かすには十分なネタが仕込まれて
います。
突如現れた、赤字で廃線の危機にある、もりはら
鉄道に元新幹線のアテンダント、篠宮亜沙美が新
社長として迎えられます、県庁から出向している
副社長の鵜沢哲夫と微妙な関係の中、絶望から希
望に復活へむかい多難な問題を乗り越えていく楽
しい作品です。
篠宮の就任以来、度々起こる事故、人気の回復で
順調に売上を回復する中で起こる多額の出費に悩
む篠宮と鵜沢。
故意なのか、狙いは何なのか。
真相を突き止めようと奔走し、同時に様々な仕掛
けを考え具体化し鉄道の復活に賭ける姿はとても
美しいです
良い影響が社員にも伝わり社員全員が、もりはら
鉄道の明日に向かって頑張っている姿、それを妨
害する者の真の狙いは何なのか、最後まで楽しめ
る作品です。


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黙示

黙示 真山 仁

「ハゲタカ」の真山仁氏が農業の世界へやってき
ました。
農薬は毒であり必要悪なのである、だから農薬を
必要としないGMOが必要なのでる。
こんな極論が現実味を帯びてきた作品です。
GMO(genetically modified organism)日本語で
は、遺伝子組み換え作物と呼ばれる事が一般的な
ようです。
主人公は、農薬メーカーに勤める平井、不幸にも
自社の農薬を使ったラジコンヘリが暴走し息子に
降りかかり重傷を負います。
農薬の危険性を訴える養蜂家の代田。
そして農林水産省の女性キャリア秋田。
食糧危機の迫る中、それに気づかない、若しくは気
づかないフリをしている日本。大干ばつや人口増加
で食料調達に必死な米中が狙うのは日本の農地そし
て技術。
そこに目をつけたGMOを扱うメーカー、そして
政治家。
農薬の危険性を煽り、救世主はGMOであると主張す
るのでした。
詳細な取材で農林水産省の内部や官僚制度を詳しく
描いています、国ではGMOをどう考えているのか。
3人のそろぞれの思い、苦闘、選択。
日本の近い将来を見据えた社会派小説です。
真剣に考え実行にうつす時がきています。
とても面白い作品です。

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ウォール街のイカロス─小説ヘッジファンド

ウォール街のイカロス─小説ヘッジファンド バートン・ビッグス

ヘッジファンド業界での天国と地獄が描かれた
結果として結局こうなってしまうのか?と
一瞬の絶頂期を体験し人生のどん底に落ちて
終わる恒例?の物語です。
はじめに にも物語の体裁をしたビジネスと投資の
本であると書かれています。
これは、まさに金融、ヘッジファンドの本場、
アメリカでの出来事ですが、ここまでの極端な浮き
沈みはないとしても日本でも多くの人が同じような
経験をしていると思います。
この物語の主人公、ジョーは父親が黒人、母親が
白人の間に生まれ、スポーツと知識で極貧の幼少
時代から這い上がった男です。
不相応な令嬢エミリーとの結婚、頂点に達するまで
のジョーはとても勤勉で努力家でした。
しかし、金融の世界にのめり込み財産と築いた時、
何もかも忘れ、そして転落のきっかけを自ら踏み
出してしまいます。
ビジネスや投資だけでなく人生を考えるうえでも
勉強になる作品でした。

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利権鉱脈 小説ODA

利権鉱脈 小説ODA 松村 美香

ODAを題材にした今日本の抱える問題をリアルに
描いた作品です。
これまでの国際協力、今の国際協力、これからの
国際協力、ODAのあり方を提起しています。
途上国への影響が増す中国、まさに国益を追求す
るために莫大な資金を投じ援助という名の影響力
拡大を図っています。
日本はどうかというと、現状は何を目的としてい
るのか本当の意味での国際貢献になっているのか
疑問です。
主人公は、ODAを主に手がける一橋コンサルテ
ィング株式会社の桜井万里子、42歳です。
そして経済産業省からJICAならぬDIDOに
出向中のキャリア官僚の水谷真次、45歳、この
2人を中心に描かれています。
物語は、桜井がモンゴルの案件担当を命じられる
ことから始まります。モンゴルは12年前、大学
の親友、八峰商事に勤める加藤貴久が命を落とし
た地でした。
桜井は、思わぬところから加藤の死の真相に迫る
事になります。
無償の援助と資源獲得、政府開発援助とは何なの
かそこに群がる人、利権が絡み複雑な様相を見せ
る中、本当の意味を問いかける作品です。
とても面白かったです。


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握る男

握る男 原 宏一

この作品、とにかくすごかったです。
帯には、「悪魔のような頭脳で時代を制覇した
「食王」の一代記!!とあります。
一介の鮨職人、しかも16歳で弟子入りし瞬く
間に日本の外食産業の帝王に成り上がった主人公、
徳武光一郎の生涯を、鮨職人時代の兄弟子で、
徳武の番頭として自身が冤罪で刑務所に収監され、
その後徳武が死んだ知らせを受けるまで、2人の
生涯を描いた作品です。
店の実権を握り、物凄い勢いで広げる人脈、時に
は法に触れるであろう事も目的を達するためなら
厭わず実行、恐ろしく頭の回転の早い少年が成り
上がっていく姿、それは時に同業者だけでなく、
行政からも睨まれる存在になっていきますが、そ
れを堂々と受け止めると同時にしたたかに裏側か
ら逆襲する、行政をも脅かす存在となった徳武、
いったい彼のゴールはどこだったのか。
兄弟子で番頭となり必死で支えた金森信次は、間
近で徳武光一郎という人間の姿を見続け、その執
念深さと戦略のたて方にいつも驚愕しつつ、その
とおりになっていく現実を受け入れ、彼に従って
いくしかなかった人生を刑務所で振り返ることに
なります。
想像もできない方法で成り上がっていく姿を描いた
とても面白い作品でした。


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プロフィール

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gobgob
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性別:
男性
自己紹介:
ただの本好きです。文房具も大好きです。
文房具カフェオフィシャル会員です。
Twitterもやってます。

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