黙示 真山 仁
「ハゲタカ」の真山仁氏が農業の世界へやってき
ました。
農薬は毒であり必要悪なのである、だから農薬を
必要としないGMOが必要なのでる。
こんな極論が現実味を帯びてきた作品です。
GMO(genetically modified organism)日本語で
は、遺伝子組み換え作物と呼ばれる事が一般的な
ようです。
主人公は、農薬メーカーに勤める平井、不幸にも
自社の農薬を使ったラジコンヘリが暴走し息子に
降りかかり重傷を負います。
農薬の危険性を訴える養蜂家の代田。
そして農林水産省の女性キャリア秋田。
食糧危機の迫る中、それに気づかない、若しくは気
づかないフリをしている日本。大干ばつや人口増加
で食料調達に必死な米中が狙うのは日本の農地そし
て技術。
そこに目をつけたGMOを扱うメーカー、そして
政治家。
農薬の危険性を煽り、救世主はGMOであると主張す
るのでした。
詳細な取材で農林水産省の内部や官僚制度を詳しく
描いています、国ではGMOをどう考えているのか。
3人のそろぞれの思い、苦闘、選択。
日本の近い将来を見据えた社会派小説です。
真剣に考え実行にうつす時がきています。
とても面白い作品です。
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