未必のマクベス 早瀬耕
ウィリアム・シェイクスピアに縁のない私・・・
それでも四大悲劇の1つであることくらいの知識
はあるのですが内容はさっぱり。
そんな状態で読み始めたのですが、不思議な感覚
です。
何となく引き込まれる感じ、いったいどんな魅力
があるのか分からないまま、でも読み進めてしま
う。
主人公の中井優一がマカオの娼婦から予言を告げ
られ彼はマクベス、王となってシェイクスピアに
よって書かれた戯曲同様に運命を受け入れ、従い、
行動していきます。
彼の勤めるジェイ・プロトコル交通系ICカード
の暗号化技術に隠された秘密、暗号の鍵、それは
彼の高校生時代、同級生で同じ会社に勤める伴浩
輔、当時気になっていた鍋島冬香にも深く関係し
ていました。
ラストは予測できても、それまでに起こる出来事、
彼の行動、周辺の変化、東京、香港、マカオを始
めアジアを巡る物語は、現実的でもあり、それに
しても不思議な魅力のある作品です。
値段も他のものに比べ多少高かったですが、読み
応えのある面白い作品でした。
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